趣味愉楽 詩酒音楽          《まことに人生、一瞬の夢、 ゴム風船の、美しさかな。》

 
 
 
 

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涙なくして語れず、涙なくして聞かれず

 この前の日曜日は兵庫県立芸術文化センターでのアンサンブル・フリーの定期演奏会へ。曲目は、ベルクの組曲版『ルル』とマーラーの交響曲第9番。

 マーラーの9番は(ブルックナーの9番と同じくらい)僕にとって思い入れの強い作品である。
 大阪で独り暮らしを始めてまだ間もない、大学1回生の頃、前期試験の合間をぬって初めて訪れた「ザ・シンフォニーホール」で、大植英次=ハノーファー北ドイツ放送フィルのマーラーの9番を聞いた。チケットの予約が遅かったため最前列の席しか残っておらず、大植さんとヴィオラ・トップさんの目の前で聞くこととなった。奏者の呼吸を肌で感じる距離感のなか、降りそそぎ煌めく音たち。初めて訪れたザ・シンフォニーの感動とともに、未だ演奏会の情景は色あせない。

 もうひとつ、大学卒業が目前に迫る4回生の1月、同じくザ・シンフォニーホールで、井上 道義=京都大学交響楽団の第190回定期演奏会でのマーラーの9番に立ちあうことができた。1階中央やや前寄りの席で、全身全霊でもって音楽に没入して聞いていたのをよく覚えている。涙を流し、自然とブラボーと叫んだこともはっきりと記憶している。

 (余談だが、チャイコフスキーの悲愴交響曲とマーラーの交響曲第9番とは、その根本で、ほとんど同じものを共有している。楽章構成が似ているというだけでなく、本質的に、この世(浮世)を生きる人間の魂を、精神を、激しく揺さぶる。)

 先日のアンサンブル・フリーのマーラーの9番を聞き、それまでどうも腑に落ちなかったアダージョの第2主題が、痛いほどにあまりに痛いほどに理解された。諸事情で2・3楽章は聞けなかったのだけれど、あのアダージョを聞くことができれば、もうそれだけでも十分という演奏だった。
 客席の白髪の紳士が嗚咽をあげながらアダージョを聞いていたという話もあるそうだが、彼もまた涙なくして人生語れず、いわんや、マーラーの9番をや。げに我が身もさればこそ。


 
 
 
 
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プロフィール

めが

Author:めが
大阪在住、岡山出身。

岡山朝日高校(管弦楽部)、大阪大学(法学部)から会社員(教育系)へ。

【興味関心】
詩(ヘッセと中原中也)
音楽(とくにバッハとブルックナー)
モータースポーツ(とくに1984年~1993年のF1)
グランツーリスモ、スポーツカート
ブルックナー研究

 
 
 
 
 
 
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